Jenever(ジュニーバ)ことオランダジンの発祥地は、12―13世紀のイタリアだといわれています。当時ヨーロッパには疫病が流行し、錬金術師、教会関係者、貴族はこぞってその治療薬を求めました。そこでみなが注目したものが、蒸留技術と蒸留したものに薬草を混ぜた薬でした。もっとも、アルコールは万能薬と考えられていたのです。
では、誰がいったいジュニーバを発見したのでしょうか。残念ながら、特定することはできませんが、2説ほど想定することができます。まず、17世紀オランダはライデン大学でフランシスカス・ドュ・ラ・ボウ薬学博士が発明したという説。次なるは、1566年フランダースの難民が自国での宗教迫害を逃れて、オランダにジュニーバの調合物を持ち込んだのではないかという説です。
Rembrandt,
The Music Party, 1626
このように、当初は薬として使用されていましたが、そのうち飲み物として楽しまれるようになりました。オランダには所々に蒸留所ができました。オランダ南西部の都市シーダムは名実ともにジュニーバで有名な都市となりました。今では、シーダムといえば同地産の強い風味のジンを意味します。
1792年頃にはオランダは、年間およそ15、000、000Lものジュニーバをイギリス、アイルランド、極東、中東、ドイツ、フランス、スペインに輸出していました。
ジュニーバには若いものと熟成したものがあります。熟成したものはモルトの含有量が多く、黄金色を帯び、芳しい香りの、豊潤な味わいを醸し出します。ジュニーバの材料は、ヒノキ科の杜松子の実(ジンの香りづけ)、穀物、糖蜜アルコールなどです。オランダでジュニーバの2大ジュニーバ製造元といえば、ボルスとハイネッケンがあります。ボルスの創業は1575年。Bokma
Jongeボクマ・ヨンゲは人気のあるハイネッケンのジュニーバです。醸造元それぞれに秘伝のレシピがあるようです。ジュニーバには他にもBessen(赤スグリの実),
Ctroen(レモン),
Corenwyn(トウモロコシワイン)があります。
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