ジンベースカクテルの中でも、ひときわ有名なものがジンとホワイトベルモットのマティーニ。その起源にはいくつかの説があります。まずは、19世紀後半のマルティネツカクテルから進化したものとする説。マルティネツカクテルは、オールドスタイル・トムとスウィートベルガモットの少々甘すぎる感のあるカクテル。そして、20世紀初頭ニューヨークのニッカーボッカーホテルのバーで誕生したという説があります。
当時ジンとベルモットの比率は2対1で始まりましたが、年々辛口の傾向にあるといいます。お酒に造詣の深いかの有名な英国政治家ウインストン・チャーチルいわく、「ベルモットのコルクをジンの入ったグラスに少しかざすだけで十分」。これがエクストラ・ドライ・マティーニ。第2次世界大戦中、フランスからのベルモット供給が不足すると、マティーニをつくる時、チャーチルはフランスの方角に向き、恭しく頭を下げたという逸話がある。
マティーニは今世紀の社会政治的重大事件の比喩としての役割も担ってきた。ジミーカーターアメリカ前大統領が再選に失敗した原因は、選挙運動中に、「スリーマティニーランチ」*を否定し、あからさまに階級闘争に言及したことにあるとさえ言われている。
*スリー・マティーニ・ランチとは、マティーニを3杯のむような企業管理職などの豪華な昼食のことである。
代金が交際費で支払われ、庶民生活とのギャップが不公平税制の象徴とされた。
The
Winston Churchill
ザ・ウインストン・チャーチル
ロンドン・ドライ・ジン 90cc
レモンピール
1
氷とともに冷たくなるまでシェイク。フランスの方角に向き、
頭を下げてから、マティーニグラスにこし入れ、レモンピールを添えます。
参考ホームページ
http://www.tastings.com/spirits/gin.html
http://www.winstonchurchill.org/fh104rid.htm