Saint Nicolas

サンタは、聖ニコラスという実在人物でした。西暦300年、今日のトルコに住んでいたといわれています。富豪の一人息子として生まれながら、幼くして疫病で両親を失いました。孤児となり、修道院で育てられ、17歳という若さで祭司となりました。聖ニコラスは、貧しい子供に惜しみなくプレゼントを与えました。煙突からお金を入れたり、窓からプレゼントを投げ入れ、それをちょうど暖炉にかかっていた靴下のなかに着地させたりしたという言い伝えがあります。

後に司教となり、お馴染の司教冠と長い僧服,赤いケープ,白いひげを身にまとい、現在のサンタの原型となりました。亡くなると同時に、聖人として祭られ、こうして、カトリック教会はクリスマスを祝うようになり、聖ニコラスはこの祭事にはなくてはならない存在となりました。

しかし、宗教改革が行われると、プロテスタント教徒は、カトリック教会と関係のある聖ニコラスをもはや必要としなくなりました。そこで、これを機会に、それぞれの国々が独自の聖ニコラスをつくりだしました。フランスではペールノエル,イングランドではファーザークリスマス、ドイツではヴァイナハッツマンなどと呼ばれています。ロシアでは、帝政崩壊後共産党政権下では、クリスマスは禁止され、グランドファーザーフロストという赤ではなく青い服を着たサンタが登場するようになりました。オランダ人はシンタークラースと呼び、これが後にアメリカで言い間違えられて、現在のサンタクロースになったといわれています。

われわれの知っているサンタクロースは、1832年、クレメンス・C・モアーズの「聖ニコラスがやってきた」という本のなかで、ぽぅちゃりとした陽気な小妖精として登場します。南北戦争時代、リンカーンはある漫画家に北軍に見方するサンタの姿を描かせたといいます。そのことが南軍の士気低下につながったという逸話もあります。

1931年から1964年にかけて、ハドン・サンドブロムがクリスマス時期コカコーラの広告にサンタを描きました。やがて、白く縁取りされた赤いコート、ベルト、長靴、白いひげ、肩にはプレゼントがいっぱいの袋をかけた現代のサンタが世界各国に広まるようになりました。

参考ホームページ

http://www.culture.fr/culture/noel/franc/stnico.htm

http://www.santaland.com/dynamic.html?content=http://www.santalady.com/history.html

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